「青いパパイヤの香り」

少年ベトナムの空気に浸りたくて、ついレンタル。
しっとりした感じが良い。北京に住んでいるからか、年をとったせいで自分が乾燥しているせいか、最近とにかく「しっとり」に惹かれる。以前、中国人の女子が「(日本のことを思い出して)私は湿気が好きです」と言った時には、すごくびっくりしたけれど、私も今では「湿気が好き」だ。湿気の多いところにいくと、湿り気が、じわぁ〜っと心と体にしみ込むのを感じる。体も心もたっぷり潤う気分。この映画はフランス人(フランス系ベトナム人)が撮ったものだから、外国人の視点で、その空気の湿り気を意識しているものと思われる。水の映像が多い。そこにベトナム独特の意匠があしらわれ、付け加えて、濃い緑や虫たちやで、なんとも気持ちのよい映像だ。見ている時間が心地よい映画だ。
私の一番のお気に入りは、少年好きな私の心を鷲掴みにした、この写真の少年。主人公がお手伝いとして仕える家の三男坊くん。なんだかんだと主人公(少年からするとお姉ちゃんという年頃)にいたずらをする。そして、終わると片足をあげて「ぶぃっ」とおならをして去って行く。写真の場面は朝の歯磨き。「朝起きたら歯を磨こう!おしっこしよう!」ってな歌を元気に歌った後、地面におしっこを散蒔く。その反面、やっぱり寂しがりの泣き虫だったりして。少年は最高だ。この、お決まりの少年が女の子にいたずらをするってのは、いったいどういう心理なんだろう。よく言われる、気を惹こうとしている?つまり、かまって欲しいから?。素直におしゃべりすればいいのに、それができずに困らせちゃうのか?。それにしては、戦略的だと思う。いたずらして許して欲しいんじゃないかと私は思う。こんなことしても、許してくれるのが嬉しいんだろうと。それか、困らせたいのか?なぜ?いじめたいから?それってSってことなのか?。お父さんが病に伏せてベッドにいるシーンで少年が手を差し出し、その手を母親が握ってあげるシーンがある。これは印象的だ。自分から母親の手を握るのでなく、手を出して、握ってもらう。この「甘え」が少年らしさ、つまり男っぽさだなぁと。
映画は途中で「10年後」になる。結果は主人公のハッピーエンド。シンデレラストーリーとも言える。けれども、なんか見終わった後に、釈然としないというか、腑に落ちないというか、素直に喜べないというか。変な気分。きっとストーリーが中途半端だからだ。ストーリーがないなら、ないでもいいんだけど。あるけど、どうも繋がってないというのか、気持ち悪さがある。例えば、私のお気に入りの少年は10年後には全く登場しない。長男はいけてない妻をもらっている。次男は家を出て行ったと、台詞の中に出ている。「で、三男は?」と見ていたら、結局出てこないまま終わってしまった。
というわけで。なんか映画としてはイマイチかなぁと思ったわけでした。

This entry was posted in 思ったこと and tagged . Bookmark the permalink.

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *